わが家滞在2時間半 一関・厳美に一時帰宅
岩手・宮城内陸地震で避難生活を送る一関市厳美町の住民は17日、自衛隊ヘリコプターで一時帰宅した。14日の地震で家を離れた住民は、できる限りの後片付けや家屋、周囲の確認、動物の世話に追われた。土砂崩れなどで道路が寸断され、孤立した地域。市野々原(いちののばら)地区では、道路に大きな亀裂が入り、背後に土砂ダムが迫る。貴重品や生活用品を手に約2時間半のわずかな滞在を終えた住民たちは、再び避難生活に戻った。

【写真=一時帰宅が実現した一関市厳美町市野々原地区。車庫も家も揺れで落ちた物が散乱していた=17日】
一時帰宅したのは一関市厳美町の市野々原地区、祭畤(まつるべ)地区、槻木平地区の21世帯21人。各世帯の代表が厳美町の温泉施設からヘリコプターに乗り込み、それぞれの自宅に向かった。
奥州市前沢区に住む沼倉裕樹さん(30)は避難した父母に頼まれて、市野々原地区の実家に戻った。「結構ひどいですね」。家の中を点検してつぶやいた。
台所、寝室では棚やたんすが倒れ、足の踏み場がないほど。倉庫も同じような状況だったが「きょうは片付けはせず、貴重品だけ持っていく」と、深いため息をついた。
沼倉さんの家の背後には、磐井川を土砂がせき止めた大規模な「土砂ダム」が迫る。山が1つ丸ごと崩れてきて川を埋めたような状態だ。
「ものすごい音を立てながら、山が迫ってきた」と同地区の佐藤雅樹さん(50)は土砂崩れの瞬間を振り返る。
佐藤さんの家業はイワナ養殖。2万匹のイワナがいるいけすの水が濁っていたため、取水口の土砂を取り除いてたくさんのえさを与え、家の中の必要な物をかき集めた。
一時帰宅はわずかな時間。佐藤さんは、子どものランドセルを背負ってヘリポートへ向かった。目の前の道路には深さ50センチ、長さ50メートル以上の亀裂が走る。
ヘリポートに集まった被災者は「あきらめた」「これから大変」と語り合った。短時間だったが、久々のわが家に戻った少しの安堵(あんど)感と、被害の大きさの実感が交錯しているようだった。
◇ ◇
一関市災害対策本部は17日、被災地に取り残された犬や猫を搬送することを決めた。
同日の被災者一時帰宅で、飼い犬や猫の搬送を求める声が多く上がったため。避難所での飼育は難しいため、動物病院の準備が整い次第、搬送し預かる。「岩手日報新聞に上記のような記事が有ったので、原文に一切、手を加えずそのまま引用・転載しました。2008年6月18日、岩手日報新聞より」
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2時間だけの我が家 厳美町の避難21人
2008年06月18日
一関市厳美町の本寺小で避難生活を送る21人が、地震で家を離れて以来初めて、自衛隊のヘリで我が家に一時、戻ることができた。薬や貴重品を、イワナの池に水を、枯れた田んぼに水を、牛に愛犬にエサを――。願いはさまざまだが、許された時間は2時間だけ。我が家での2時間の闘いを追った。

家に残していく飼い犬を呼び寄せて別れを告げると、傷んだ家の中をもう一度みやった=17日午後3時すぎ、一関市厳美町の市野々原地区、戸村登撮影
厳美町市野々原地区でイワナ養殖業を営む佐藤雅樹さん(50)が、ヘリで自宅近くの空き地に降り立ったのは午後1時過ぎ。午後3時半までには戻らなければならない。
佐藤さんは自宅に着くと、真っ先に2万匹のイワナが泳ぐため池を見た。水深45センチの池は、白く濁って底が見えず、腹を上にして死んでいる魚も数十匹いた。裏山の沢からため池に引き込んでいる管からは、水が止まっていた。
スコップを持って裏山の沢に走った。取水口からゴミを取り除いて戻ってみると、管からはジャボジャボと音を立て、はじけるように水がため池に流れ込んだ。
「よかった。これで2、3日はもつ」
ブラシを手にとって、ため池の仕切り網に詰まった木の葉を取り除いたが、流れる水が濁っているのか、ため池の水は白いままだった。
佐藤さんは今、両親と妻、娘の5人で避難所で暮らす。
老眼鏡、白内障の目薬、通帳……。家族から持ってくるよう頼まれたものはさまざまだったが、持って帰れるのは市から渡された小さなリュック一袋分だけ。ヘリの重量制限のためだ。
家族の注文の品々のほかに佐藤さんが選んだのは、父陸三郎さん(77)の釣りざお、娘の真希さん(11)の真っ赤なランドセル。「これでランドセルをしょって通うことができる」。その中に、うさぎの人形を詰めた。真希さんはいつも、これを抱いて寝ているからだ。
「自宅に帰ってみると、あれもこれもと次々と持って帰りたいものが出てきてしまった」
2時間はあっという間に過ぎた。
沼倉裕樹さん(30)は、被災地に残してきたハスキー犬の「はな」と猫のピコにやるエサを持って、市野々原地区の実家を訪れた。ヘリの重量制限で、持ち込むことができたエサは猫が1キロに、犬は2キロほど。はなは見つかったが、ピコは「ピコちゃーん」と叫んでも見つからなかった。はなは少し見ない間にやせたようだった。
エサを全部置いて、家を後にした。「みんなが家に帰ってくれば、ピコちゃんもたぶん帰ってくると思います」
市野々原地区の佐々木ツネ子さん(71)の家の中は、余震で家具が倒れたりしていた。だが、時間がなく片づけはできなかった。
家から持ってきたのは貴重品と衣類、それに夫の敬一さん(73)から頼まれていた冷蔵庫に入っていた目薬。電気が通じてなかったので暗くて、衣類などの持ち出しに小さな懐中電灯しかなく取り出すのに手間取った。
ツネ子さんは「時間もわずかで、市から渡されたリュックも小さかったので余り持ち出せなかった。でもお父さんの目薬を持ってこられてよかった」と話した。 「朝日新聞に上記のような記事が有ったので、原文に一切、手を加えずそのまま引用・転載しました。2008年6月18日、朝日新聞より」
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2次災害防止へ直轄工事に着手 一関・磐井川の土砂ダム (06/18)
地震による大規模な土砂崩れで一関市厳美町字市野々原地内を流れる磐井川に発生した「土砂ダム」について国土交通省は十七日、直轄砂防災害関連緊急事業で決壊などの二次災害を防ぐ工事に着手した。

【写真】仮排水路の早期設置に向け、土砂と一緒に崩れた木を取り除くため伐採作業を進める作業員=17日午後4時40分
現場では水を抜く仮排水路を設けるための作業がスタート。土木作業員が、川を越え対岸から盛り上がるように押し寄せた大量の土砂を乗り越えながら、一緒に崩れてきた木を取り除くための伐採作業に当たった。
一方、同省職員は二十四時間態勢で水位を見守るため、平泉町の臨時ヘリポートからヘリで持ち込んだビデオカメラやパラボラアンテナなどの機材を設置。通信担当職員が衛星で同省に映像を送る準備を進めた。今後、土砂ダムにたまった水をかき出すポンプなども現地に運び入れる。
同事業では、磐井川の流れをせき止めている土砂上に仮排水路とポンプを設け、土砂ダムの水を安全な水量になるまで排出。新たな土砂崩れを防ぐ安定化対策を講じた上で河道を掘削し、以前の流れに回復する。事業費は十億七千万円で、二十一年度までの完了予定。 「岩手日日新聞に上記のような記事が有ったので、原文に一切、手を加えずそのまま引用・転載しました。2008年6月18日、岩手日日新聞より」
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岩手・宮城内陸地震:雫石の県道で30メートル土砂崩れ 全面通行止めに /岩手
6月18日12時0分配信 毎日新聞
17日午前9時55分ごろ、雫石町南畑の県道山伏トンネルの北側で、「土砂が崩れている」と通行人から盛岡西署に通報があった。14日に発生した
岩手・宮城内陸地震に伴う余震が原因とみられる。
同署などの調べでは、土砂は約200立方メートルで、長さ約30メートル、幅約6メートルにわたって崩れた。17日午前10時22分に全面通行止めとした。【狩野智彦】
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